ダムと自然が織りなす雄大なコントラストに目を奪われる

nature ── 小手指

ダムと自然が織りなす雄大なコントラストに目を奪われる

県立狭山自然公園

水源地環境センターが認定するダム湖百選にも選ばれている狭山湖は、1934年に完成した人工湖。正式名称を「山口貯水湖」といい、埼玉県所沢市と入間市にまたがる湖周19キロメートルの広大なダムであり、南側に広がる多摩湖とあわせて東京都の水がめとなっています。そんな狭山湖東部の丘陵地帯に位置するのが『県立狭山自然公園』。水鳥の楽園として知られ、全長700メートルの堤防からは雄大な狭山湖の景色を一望することができる公園です。
アカマツ、クヌギなどの雑木林に囲まれた静かな湖畔は、武蔵野の自然の宝庫。水鳥の越冬地でもあり、通年にわたり多くの野鳥を観察することができます。アオサギ、カワウにオオタカ、冬にはマガモやカンムリカイツブリ。絶好のバードウォッチングスポットとして人気で、堰堤の北側にある東屋付近には展望デッキも設置、双眼鏡やカメラを手にシャッターチャンスをうかがう人で賑わいます。
また、湖畔は県内有数の桜の名所としても有名で、2万本ものソメイヨシノやオオシマザクラ、ヤマザクラが一斉に咲き誇る景色は圧巻。特に堤防から眺める、湖をふちどるようにピンク色に染まる満開の桜は必見です。綺麗に整備された歩道を走るランナーたちの姿も。ところどころにゆっくり休憩できるベンチや芝生広場などもあり、人々の憩いの場になっています。
湖畔の穏やかな水面を眺めながら、豊かな緑と鳥たちの息吹に癒される…。『県立狭山自然公園』では、そんな安らぎのひと時を過ごすことができるでしょう。