SEIBU JOURNAL

── 田無

ここは日本のフィンランド!豊かな自然に重ね合わせたムーミンの世界観

トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園

まるで、北欧の絵本の世界から飛び出してきたような世界。
トーベ・ヤンソンと言えばムーミンの生みの親として知られていますが、ここにはそんな空間が広がっています。ムーミン谷を再現した公園とは異なります。あくまでその世界観をモチーフにして造られた公園であり、その根底には童話のテーマにも通ずる「自然との共生・自我と自由の尊重」という理念が流れています。
一番の魅力は、子どもたちが自然に囲まれた園内で活き活きと遊びながら、創造力を発揮できる場所になっていること。自然の地形を活かして設計された園内には5つの建物以外、遊具の類は一切ありません。起伏に富んだ小道、小川にかかるいもむしのようにも見える鉄製の橋や、滝が見える展望台へと続くウッドデッキ…。この先には何があるんだろう?と子どもたちは思わず駆け出したくなることでしょう。
そして園内に点在する、美しい曲線の不思議な建物。中の造りも独特で、秘密の小部屋があったりと子どもたちの好奇心を刺激する楽しい仕掛けがいっぱい。どの建物も入り口で靴を脱がねばならず、そのことがより子どもたちの感覚を研ぎ澄ませ、秘密基地を探検しているかのようなワクワク感を与えてくれます。
事の起こりは1992年。ムーミン作品の原作者であるトーベ・ヤンソン氏に送った一通の手紙からすべては始まりました。「ヤンソン氏の精神が感じられるような公園を造りたい」という飯能市の熱意に氏は快く賛同、その後7年もの間手紙での交流が続いたそうです。そして2017年、飯能市の副市長とヤンソン氏の姪との会談が実現し、『あけぼの子どもの森公園』に「トーベ・ヤンソン」の名を冠することを了承してもらったのだそう。
トーベ・ヤンソン、そしてムーミン童話の精神を見事に体現した『トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園』。美しい自然に恵まれた土地があったからこそ誕生した自由な遊び場です。自然との共生を目指す飯能市の姿は、まさに日本のフィンランド。大人も童心に戻って、子どもと一緒に北欧の世界へ冒険に出かけてみませんか?

INFORMATION

トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園

●開園時間

9:00〜17:00(季節により変動)

●休園日

月曜(月曜が祝日の場合、その翌平日)

●概要

〒357-0046 埼玉県飯能市大字阿須893−1
TEL. 042-972-7711 / FAX. 042-972-7220

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